今年も有給がいっぱい消滅するんだけど何とかならないの?と思った時に読む話

今週のメルマガの前半部の紹介です。
厚労省が有給休暇の5日ほどの取得を企業に義務付ける方針だそうです。確かに日本の有給取得数は他国の半分ほどだし、上手くいけばワークシェアリングも進みそうだしで、一粒で美味しい政策にも見えます。

でも、なぜ日本人は有給を取らないのでしょうか。そして、お上に頼らずとも有給を上手く消化する方法はないのでしょうか。いい機会なので、今回は日本企業と有給休暇についてまとめたいと思います。

有給休暇と査定の微妙な関係

さて、有給をいかに消化するかを考える前に、そもそも有給消化しすぎると人事的にはどうなのかという点を整理してみたいと思います。

20年くらい前だと、残業時間が立派な評価の基準の一つになっていた会社は多くありました。有給取得率の低さも同様ですね。少なくとも有給を毎期100%消化している従業員がいたら、査定の時に「この人は本当にこの評価でいいのか」というチェックを入れる管理職や人事は普通にいましたね。

とはいえ、2015年現在、有給取りすぎる従業員をどう思うかと聞かれて「けしからん奴だ」という人事や管理職は少数派でしょう。筆者の感覚だと9割は「もうそんなの気にする時代じゃないでしょう」と返すように思います。実際、有給取得率が高いというのはワークライフバランスの優れた優良企業であるというPRにつながるので、多くの大手企業(特に生産ラインがあってメリハリつけやすい製造業)が有給取得率の引き上げに躍起になっています。

残業時間にしても、少なくとも大手であればいかにして長時間残業を減らすかに注力しているもので、残業=美徳と考えている管理部門なんて筆者は寡聞にして知りません。

ただし、実際の評価となると話は少々違ってきます。まず、日本企業の多くはいまでも相対評価、つまり同じ部署内で誰が一番頑張ったか、誰が2番目に頑張ったか~を比べて成績がつけられています。各自のミッションが明確にされていて、それに対して絶対評価がされるというカルチャーではありません(じゃなんで目標管理なんてやってるんだという話ですが、それは実に長くなるのでまたの機会に)。

くわえて、日本企業で一般的な賃金制度は職能給と呼ばれる属人給の一種で、担当する業務で賃金が決まる職務給と違い、各自の業務範囲がきわめて曖昧です。

こうした中で誰と誰を比べてどちらが頑張ったか~を決めようとすると、何が起こるでしょうか。個人でテキパキ仕事をこなして有給取る人よりも、有給なんて忘れて部署内でアレコレ仕事を引き受けて回る人の方が高評価となるのは、ごく自然な流れでしょう。

これはもう評価者の意識や評価制度でどうにかなるもんでもなく、賃金制度を職務ベースのものに切り替えて担当業務の切り分けをきっちりやらない限り変わらないでしょう。逆に言うと、この「業務の切り分けが曖昧な結果、個人より組織重視で取り組まざるをえない姿勢」こそ、日本型経営の強みなわけで、日本企業で働く以上、これはもう宿命みたいなもんだと思って付き合っていくしかないというのが筆者の意見です。



以降、
タイプ別「有給取得日数を2倍にするテクニック」
筆者の考える「有給取得を限りなく100%近くに引き上げる方法」



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Q:「世田谷の住み心地を教えてください」
→A:「飲みすぎると帰るのがめんどくさいことを除けば上々です」



Q:「子会社から親会社への大量出向が意味するものとは?」
→A:「安い兵隊が欲しいか、兵隊が余ってるかのどっちかです」







雇用ニュースの深層

「残業代を支払わせれば企業は残業を抑制するはずだ」と考える現場感覚のない人たち


確かに残業抑制しようとはしますね、残業付けていいのは〇時間まで、後は持ち帰るなりタイムカード切るなりしろよ、なんて形で。


日本で格差是正しようとすれば、どうやっても労働市場流動化以外に行きつかないワケ

「ウン千万も貰っているわけではないけど終身雇用で福利厚生しっかりしてて何かあったら税金突っ込んでもらえる会社の正社員」と居酒屋の雇われ店長の格差を是正するためには、やるべきことははっきりしています。






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格差ブーム2015にはあんまり期待しない方がいいワケ

分かりやすい論評が続けて出たので、紹介がてらブログでまとめておこう。

ピケティブームで“格差”に再ブーム化の兆しが出ているが、格差是正で対立軸をアピールせんとする民主党や共産党といったリベラルの主張は、現実と完全に逆行するものだ。

日本の格差:身分の保証された人vs貧しい人

本来ならOECDやILOから勧告されているように、強すぎる正社員の解雇規制等を緩和して、中小零細企業の正社員や非正規雇用にも適用できるようなより現実的なルールを作るべきだ。

でも、そうすると、連合傘下の大企業の組合員や公務員さまは困ってしまう。たとえば「半年分の給料を上乗せすれば解雇できますよ」なんてルールが出来れば、そんなもの無しにクビを切られることも珍しくはない中小零細企業の従業員やパートさんにとっては、これ以上ないセーフティネットだろう。

でも50歳で早期退職に応募すれば一億円くらい貰える朝日新聞社員にとっては一億近くも損することになるので、石にかじりついてでも反対することになる。

だから、そういう守られすぎのオジサンたちを支持基盤とする民主党が「金銭解雇の導入には断固反対、派遣法も廃案にして正規雇用の職を守る」というスタンスなのは当然だ。

でも彼らの本音は「連合傘下の大企業正社員や公務員の既得権は守ります、中小零細企業の労働者とか非正規雇用がどうなろうが知ったこっちゃないぜ」というもので、格差の是正どころか、偽のムシロ旗を掲げて小金持ちの傍に立ってる反動勢力に過ぎない。今でも自治労を強い支持基盤とする社民党も基本は同じ。

「オワコン」労働組合と決別できず。イメージ刷新に大失敗した民主党で「期待」するなら、あの議員

共産党は別にそうしたしがらみがないんだから本物のむしろ旗を上げろよと思うのだが、彼らはもっと悪質で「大企業はキャッシュをいっぱい溜めこんでいて、それを吐き出させれば既得権にメス入れなくてもみんなハッピーになれます」と嘘のレシピで作った魔法のカクテルで弱者を悪酔いさせている。

というわけで、まとめると日本の格差はエコノミストの言う通り、終身雇用の適用されうる大手正社員とその他労働者の間に存在するのだが、

自民     「大企業の賃上げすればトリクルダウンで下々も豊かに~」
民主&社民 「異議アリ!大企業の正社員とか公務員の既得権をもっと手厚く守ろう!」
共産     「大企業を絞ればいっぱいお金が出てくるよ」

という具合に三者三様にわけのわからないことを言っているので、たぶん今後もずっと議論はかみ合わないと思われる。まああえて言えば、それでも一応は労働市場改革を忘れたころに特区構想などで小出しにしてくる自民はまだマシで、民主&社民は格差固定促進派、共産は電波政党くらいの目で見ておいた方がいいだろう。


ピケティ狂想曲を俯瞰的に眺めてみよう

今週のメルマガの前半部の紹介です。
「21世紀の資本」において格差の拡大と固定化に警鐘を鳴らしたフランスの経済学者、トマ・ピケティが来日し、注目を集めています。おそらく誰でも一度くらいは氏のインタビューや講演情報を目にしたはず。やはり日本人も格差というキーワードに敏感になっているのでしょう。

とはいえ、ピケティというめったに釣れない超高級魚のさばき方をみていると、日本社会のリアルな実像が垣間見られてなかなか興味深いものがあります。というわけで、今回はピケティを通して見えてくる日本社会について考察していきたいと思います。

ピケティという鏡に自分の見たいモノを見い出す人たち

今の日本で多少なりとも政策に関心のある人は、だいたい以下の3種類に分類できます。

1.現状維持してほしい人々

既に一定の既得権を持っていて、できるだけ改革はやらずに今のままずるずる行ってほしいと願う人たちです。具体的に言うと、大企業の中高年正社員からなる連合、農協や日本医師会といった方々、メディアでいうと朝日新聞なんかが該当します。政党では連合べったりの民主党と、社民、共産といった左派政党が該当します。

というと「左派は体制変更して大企業国有化や過激な再分配政策を実現したいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、そういう筋金入りの左翼というのはごく一部で、ほとんどの左派が目指しているのは現状維持、持てる者の既得権死守ですね。共産党が日本医師会と組んでTPP反対したり政府の農協改革に反対したりしてるのが典型ですね。労働者の利益より生産者の都合優先って、マルクスも草葉の陰で泣いてるはずです。

あと、先日はJAL倒産時に解雇された元社員の決起集会で社民党の福島みずほセンセイが挨拶してましたけど、JALという超ホワイト企業の元社員と組んで(公的資金の出し手である)国民相手に階級闘争やってるようなもんですね。

最近たまに「共産党は弱者の味方だ」と信じてる若い子もいますが、社民や共産と言った革新政党は70年代から大企業労組や公務員労組を主な支持基盤としてきたという歴史はおぼえておくべきでしょう。

2.お上になんとかしてほしい人々

また、経済成長を自由自在にコントロールできる魔法のスイッチが政府内に実在していると信じているグループもいます。「公共事業で経済成長」とか「政府の借金は国民の資産」とか言っちゃってるバラマキ派の人たちが典型ですね。

裏を返せばこの人たちは「自分の能力では豊かになれそうもない」とわかっているわけで、知能の低い人が多いですが、民主主義では同じ一票を持っているのでバカにはできません。自民党のセンセイには、本音では彼らをバカにしつつ、実にその心をくすぐるのが上手い人もいますね(誰とはいいませんが)。

また、お上助けてというスタンスは一緒ですが、魔法のスイッチが日本銀行内部にあると信じている人たちも少数ですが存在します。いわゆるリフレ派と呼ばれる方々ですね。

昨年に、バラマキ派のドンである藤井聡・京大教授(工学部!)とリフレ派の原田泰・コスモ大学教授(現・日銀審議委員)の間で一連の論争※1が勃発してましたが、筆者からすると別に日銀がいくら国債買ってもバランスシート的に問題ないんだったら200兆くらいポンっと買ってやって貧乏なバラマキ派に恵んでやれよと思うんですけど、要するに「お上助けて派」内の信者獲得を巡る内部抗争だと考えると理解できますね。


3.もっと規制緩和してほしい人々

最後のグループは、経済成長は規制緩和による自由競争の結果実現できると考えるグループで、いわゆる構造改革派と呼ばれる人たちが中心です。ビジネスパーソンや政策通と言われる政治家はたいていこのグループですね。もちろん筆者自身もここに属します。

メディアなんかではしばしば「小さな政府」と紹介されたりもしますが、必ずしもそういうわけではなく、規制緩和して自由競争はさせるけれども、その後のケアをどこまでするかは個人間で相当なギャップがありますね。あくまで個人的な意見ですが、自由競争やって後はアメリカ並みにほっておけ的な人は実はほとんどおらず、どちらかというと「北欧的な自由競争はするけど社会保障もそれなりに維持」的な人が大多数のように感じます。


さて、このうち1番と2番の人たちは、なぜだかわかりませんが、それぞれピケティにからめて自派の主張を布教するのに熱心です。だいたい以下のような主張が散見されます。※2

・現状維持派
「やはり格差拡大は問題だから、規制緩和も自由競争もダメだ!」
「消費税より、累進課税強化を!」

たとえば、筆者の宿敵である朝日新聞OBの竹信さんがさっそくピケティ本を出してたのには笑いましたね。朝日新聞論説委員として2000万円くらい貰いつつ雇用流動化を含むあらゆる規制緩和に反対、でも処方箋は一切示さないという記者時代の姿勢は今回も貫徹してます。定年後もピケティで一旗揚げようという商魂は見上げたもんだと思います。

それからもう一点。このグループの人たちはなぜか消費税アレルギーが強く、逆に所得税の累進課税強化が大好きな人が目につきます。筆者からすると、累進課税といっても日本には超高給取りなんてわずかだし、アウトローな方々や高齢者からも徴収できる消費税の方がマシだろうと思うのですが、彼らはなぜか所得税の累進課税に固執します。

理由は、彼らは確かに既得権は持っていますが、単年度で言うと別に超高給取りというわけでもないからです。たとえば民間最高給といわれるフジテレビにしても、平均年収は1500万円ほど。他の大企業や官庁なんて一千万円すら届きません。もちろん65歳まで生活が保障されるとか福利厚生が手厚いとか、何かあっても税金突っ込んでもらえるといった年収にあらわれないメリットはたくさんありますが、年収ウン千万円の経営者とか開業医なんかと比べれば、けして超大金持ちというわけではないのです。

消費税だと、生涯にわたってそれなりのお金を使う彼ら自身もがっちりターゲットとして捕捉されてしまいます。でも所得税の累進課税強化なら、彼らの多くは上手くすり抜けられるステルス機能を有しているわけです。

・お上助けて派
「やはりグローバリズムは悪だ」
「再分配の手段として、公共事業はとても有益だ」

ネットではまだ割と見かけるバラマキ派の面々は、ピケティの指摘する「資本収益率の方が経済成長より高いから、格差は拡大し固定化する」という一点から跳躍して「だからグローバリズムは悪、TPPとか規制緩和は反対」というロジックを垂れ流しているのが目につきます。

一方、アベノミクス開始から2年でめっきり数の減ったリフレ派の方々は、当初は氏の以下の発言で勇気百倍!アンパンマン!ばりに活気づいていました。
「国の債務削減には増税よりインフレが望ましい」

が、その後の朝日新聞のインタビューで梯子を外された格好となりました。1番のグループの中で反自民的なスタンスの面々も、これをもってアベノミクス批判の格好の材料としていますし、上のバラマキ派の中にも「やっぱり金融政策より公共事業だ」と言って喜んでいる人たちもいます。

「グローバル経済の中でできるかどうか。円やユーロをどんどん刷って、不動産や株の値をつり上げてバブルをつくる。それはよい方向とは思えません。特定のグループを大もうけさせることにはなっても、それが必ずしもよいグループではないからです」

まとめると、筆者の目には、少なくとも4人のピケティが同時に来日し、あれこれ講演やインタビューにいそしんでいるように見えます。

格差に警鐘を鳴らし、自由競争や規制緩和を否定するピケティ1。
グローバリズムを否定し、ブロック経済やバラマキをたたえるピケティ2。
人為的にインフレを起こそうとするアベノミクスを評価するピケティ3。
人為的にインフレは特定の富裕層だけが儲かって格差拡大するから否定的なピケティ4。

いったい、どれが本物のピケティなんでしょうか。
答えは「自分でご本人の著作を読んで自分の頭で判断するしかない」ということです。※3

インタビューというものは、聞き手のニュアンスや文脈の流れ次第でどうとでも色付け出来るものです。まして、初めて訪れた異国の社会情勢についていきなりコメントを求められたって、せいぜい外から見た印象か一般論くらいしか言えないはず。

基本的に、我が国の経済専門の研究者でもない人に政策を語らせて一喜一憂するのは愚かな話です。なにより、専門的に研究している国内の研究者に失礼でしょう。



※1
別に奨めませんが興味のある人はこちらから。
ついに暴かれたエコノミストの「虚偽」〔1〕
日本のGDPは公共投資が減っても増加している
アベノミクス「第二の矢」でデフレ不況を打ち抜け
アベノミクス「第一の矢」でデフレ不況を打ち抜け


※2
3番は後述するようにどちらかというとピケティとは距離を取りたがっている人が多く、積極的な発言は少ないようです。

※3
まあピケティは処方箋として資本を含めた累進課税をグローバルで実現しろと言っているわけで、別にグローバリゼーション否定なんてしてないしまして計画経済なんて説いてないわけで、ピケティ2は明確に間違いと言えますが。



以降、
日本人にピケティは響かない
日本は一国で再分配が実現できる稀有な国




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Q:「会社が経営危機ですが担当業務がニッチすぎて転職できそうにありません」
→A:「本当にニッチ過ぎて転職できない人なんて見たことないですね」



Q:「どういう先輩を手本とすべきでしょうか?」
→A:「筆者ならとりあえず2人ほど選びます」







ショートショート「日本メロリンキュー化計画」






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通勤手当なんていらないと思った時に読む話

今週のメルマガの前半部の紹介です。

先週、ちきりん氏の「通勤手当なんて廃止すべき」がネットで話題となりました。会社がお金を出して効率の悪い働き方をサポートしているようなものだからそんなものはとっとと廃止すべきという内容です。筆者も同感ですね。

ちなみに筆者も宮仕えの時には基本的に徒歩で通勤できる距離に賃貸借りていましたね。職場が近いと仕事はもちろんのこと、趣味や生活全般にすごく余裕が生まれるものです。少なくとも身軽な独身の若いビジネスマンには、筆者も職場近辺に暮らすことを勧めます。

というわけで、今回は“通勤”について、人事的な観点から考察してみたいと思います。

通勤手当なんて今すぐ廃止したってぜんぜん構わない理由

いつも言っているように、筆者自身は、給料は単純に成果だけに対してのみ支払われるのが望ましく、シンプルであればあるほど良いというスタンスなので、家族手当や年功給みたいなものはもちろん、通勤手当も廃止するのがベストだと考えます。

その上で、個別の査定で成果に応じた報酬をきっちりはずむ。だから「会社の近くに住んでバリバリ成果を出したい」という考えの人はそうすればいいし、「いやいや自分は多少通勤時間が長くても郊外の庭付き戸建がいいです、その方がパフォーマンスも出ます」という人はそうすればいいでしょう。

なんていうと「交通費を別途貰った方がトクじゃないか」という人もいるのですが、残業代と同様、会社から見れば福利厚生費等も全部含めて人件費なので、どっちが損得というのはないですね。会社が用意できる人件費の額は決まっているのに、それをダラダラ長時間働く奴に多く支払うのがバカらしいのと同様、ど田舎に住んでチンタラ出勤してくる奴にいっぱい払うのもやはりおバカなわけです。

筆者の経験でもいっぱいいますね。なんでおまえそんな山の中にマンション買うのとか。なんで県一つまたいだとこから通うのかとか。それでハイパフォーマーならいいんですけど、そういうのに限って成績は中の下だったりします。毎月の定期代だけで7、8万貰いつつ、土曜出勤で残業100時間付けてるローパフォーマー社員なんて、みんなの人件費という財布に寄生した貧乏神みたいなもんですね。そういうけしからん人材を一掃するためにも、通勤手当なんてとっとと廃止するべきでしょう。



以降、
とはいえ、通勤手当を廃止しても都心はマンハッタンにはならない
筆者自身が神奈川から中央区のタワマンに移ったわけ




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Q:「就活で身の程を知れ、は正しい意見ですか?」
→A:「きわめて正しい意見です」



Q:「助けてください!後輩が続々課長昇格してます」
→A:「話を聞いた感じだとたぶんもうムリだと思います」



Q:「佐村河内さんと新垣さんの明暗をわけたものとはなんでしょうか?」
→A:「人当たりの良さってボディブローのように効いてくるもんです」







雇用ニュースの深層



三越伊勢丹の販売員、役員クラスの年収も可能に


4番で3割30本打つ人にリソースを振り向けるのが、これからの人事制度のトレンドになるでしょう。



増税先送りの一方でサラリーマンの健康保険料は勝手に引き上げられそうな件

今回も農業とか自営業者の大勝利で終わりそうな雰囲気ですね。



出身大学で人生の幸福度が決まるか

学歴って現状、選考会場への入場整理券みたいなもんです。







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没落する日本 強くなる日本人



グローバルビジネスマンとして海外の第一線で活躍してきた著者が、日本の将来を大胆に予測する。

著者のスタンスはシンプルで、経済がグローバル化する以上、企業活動を一国の都合で縛るのは不可能であり、相対的に国家の存在感は低下することになる。その中でも「想像を絶する高齢社会」であり、累積債務の積みあがってしまった日本はもはや最低限の社会保障すら維持できなくなるというもの。

世代間格差という言葉は知っていても、なんとなく「自分が将来もらえる年金や医療給付は半分くらいになってるだろうなあ」くらいに想像している人がほとんどではないか。だが著者の描く2050年の日本社会は壮絶だ。まず2050年の75歳以上人口は現在の1300万人から2400万人とほぼ倍増しており、(これから減る一方の生産年齢人口で)従来通りの社会保障制度を維持するのはまず不可能だ。

「財政危機の深層―増税・年金・赤字国債を問う」も指摘するように、恐らくその前に財政自体が行き詰まるだろう。著者は「すべての社会保障制度は機能停止に追い込まれる」とまで断言する。というわけで、今から30年後には、ホームレス高齢者が街を徘徊し、高齢者スラムがあちこちに乱立するという凄い光景が日常化していると思われる。

ひょっとすると「いざとなったら生活保護に逃げ込むから大丈夫」と思っている人もいるかもしれないが。それは甘い。年金や医療が破たんもしくは大幅な給付カットをされて、国民が生活保護を無傷で済むせるわけがない。年金以上に大ナタを振るわれ、徹底的にカットされるはずだ。

ちなみに著者の試算によれば、2050年の75歳以上人口2400万人のうち、実に7割に上る1700万人が所得120万円未満の貧困層に該当するという(2007年は75歳以上1300万人、うち貧困層は33.5%の442万人)。そのうち1200万人が生活保護に雪崩れ込むと年間21兆円を超える予算が必要となるから、たぶん生活保護制度そのものが無くなるか、はるかに低コストなまったく別の仕組みに変わっているのは間違いない。

自分の予測だと、たぶん100%現物支給になっているように思う。廃校に二段ベッドならべて、古古米の炊き出しくらいはしてもらえるかもしれない。まあ日中作業がなくて出入り自由の刑務所みたいなもんを想像してもらえばいいだろう。なんていうと「国民の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利はどうなるんだ!」と心配する人もいるだろうが、その頃にはそういうのがこの国における健康で文化的な最低限度の生活になってるだろうから何の心配もいらない。

そして、このままいくと、最大の貧乏くじを引かされるのは団塊ジュニア世代だ。

あまり指摘されていないのですが、この団塊ジュニアは踏んだり蹴ったりの世代です。彼・彼女らは、親にあたる団塊の世代とその少し前の世代と比べると非正規雇用が多く、かなり貧しいと想定されます。にもかかわらず、高齢者を支えるために過度な負担を強いられ、支給は遅くなって自分たちの取り分は大きく削られる。まさに搾取の標的として狙い撃ちされているといって過言ではありません。なぜ、怒り出さないのか私は不思議でなりません。


一応、著者は日本社会が健全に縮小均衡していくための処方箋んも提示していて、経産省や農林水産省の解体、廃業する農地の国への返還、安楽死特区の設置、大学定員の半減など、なかなかドラスティックなものが並ぶが、恐らく著者はそれらが実現するとはもはや信じていないようにも見える。本書を通じて感じるのは、一種の諦めというか悟りのような境地だ。

ただし、諦めというのは「国全体で経済大国の地位を維持する」ということへの諦めであって、それを嘆くこと自体が古い価値観にとらわれている。あくまで個人として国に頼らず強くあれというのが本書の結論であり、一貫して明るいメッセージである。



以下、興味深かったポイント。

・「維新の志士」にあこがれて時代を明治維新にたとえる政治家も多いが、現在は既存価値体系が一挙に崩壊した室町末期から戦国に至る状況に近い。逆に言えば、実力のある強者にとっては刺激的で面白い時代。


(以下引用)

日本の国家の仕組みは、きわめて「家父長的」です。(中略)国民を依存度の高い「幼児」に保っておくことが、国家にとっては都合が良かったわけです。「幼児」に対して「安心」を提供することで統治してきたのが日本でした(リスクがゼロということはありえないので、その安心も幻想ですが)。


一億全ての国民が安心を求め、だからといって負担増は嫌う無責任社会が到来しているようです。これは「弱者」という名のモンスターの登場です。(中略)この弱者という概念を獲得した既得権益が、自他の区別なく複雑に絡み合った菌系ように社会を覆い尽くしている。今の日本社会はそんな状態です。


家父長的家制度は「自分は弱者だ」と主張する人間を再生産する元凶です。責任感や判断能力という、グローバル化した時代に必須の能力を個人から奪う、きわめてアナクロ(時代錯誤)な仕組みといえます。


優秀な人間が高い給料をもらって、35年かけて使い物にならなくなるというのが日本の銀行ではないでしょうか。


私たちに必要なのは、選択肢を広げるために自らリスクをとって選択することです。(中略)変化する時代に「選択しないこと」「行動しないこと」は、なによりも避けなくてはならない最大のリスクです。















ENTRY ARCHIVE
著作
「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話


それゆけ!連合ユニオンズ[上]


若者を殺すのは誰か?


7割は課長にさえなれません


世代間格差ってなんだ


たった1%の賃下げが99%を幸せにする


3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代


若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
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城繁幸
コンサルタント及び執筆。 仕事紹介と日々の雑感。 個別の連絡は以下まで。
castleoffortune@gmail.com
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