BS-TBS「Together ~誰にも言えないこと~」出演のお知らせ

明日23時~のBS-TBS「Together ~誰にも言えないこと~」に出演予定なのでご報告。

たぶん筆者はずっとうつむき加減だと思うが、アレは足元にいた猫の後頭部をガン見しているだけなので不機嫌とか眠いとかそういうことはないです。




新国立競技場問題って誰が悪いの?と思った時に読む話

今週のメルマガの前半部の紹介です。
新国立競技場計画が迷走しています。当初の総工費1300億円が2500億円以上にオーバーした挙句、その理由&責任者もいまだによくわからないというお寒い状況です。

2500億円というとピンとこない人も多そうですが、スカイツリー(一本650億円)をあと4本くらい作ると言えばスケールの大きさがわかるでしょう。「スカイツリーなんて見たことないよ」という西日本人は、関門海峡をもう一本横に並べてかけるようなもんだといえば、そのバカバカしさがわかることでしょう。※

とはいえ、確かにスケールの大きい話ですが、似たようなケースは日本型組織にはつきものだというのが筆者の意見です。そして、それは個人のキャリアデザインとも密接にかかわってくる話です。

というわけで、今回は新国立競技場問題を人事的にひも解いてみましょう。


「無責任なハコモノ好き」は日本型組織の十八番

仮に、あなたがある部署の責任者だとします。そして、以下のルールを守って組織を運用するとします。

「原則として、メンバーの処遇を引き上げることはあっても引き下げはしない」

上げることはあっても下げられない以上、新人はいちばん低い処遇からスタートし、勤続年数に応じてジリジリ引き上げていくしかありません。

人件費のパイ自体を増やさないと若手の昇給なんて出来ないので、とにかく売り上げを増やそうと、拡張路線でゴリ押しするしかありません。また、仕事を増やすことはポストを増やすという意味もあるので、ベテランも歓迎するはず。逆に、人やポストを減らすことにつながりかねないので、無駄な仕事を見直すインセンティブはとても低いものとなるでしょう。

また、「これってひょっとしてデスマーチじゃないの?」と思っても、組織全体の軌道修正はなかなか進まないでしょう。だってベテランほど組織内で上級のポストに就いているわけで、彼らに自らの経験を上書きしてしまうような意思決定はなかなか難しいものです。まして、過ちを認めれば、誰かが責任を取らねばなりません。

「組織として軌道修正も新陳代謝も進まないならお先真っ暗だろう」と思う人もいるかもしれませんが、大丈夫、もう一つ、組織として生き残る方法があります。それは“社内政治”です。隣の部署からどんどん仕事を取ってきて「もっとうちに予算や兵隊やポストをくれ!」と主張することで、部署を強化することは可能です。外向きの競争ではなく、内向きの競争というわけですね。

というわけで、あなたの率いる部署は、遅かれ早かれ、こんな感じのカラーに染まっていることでしょう。

・やたら仕事のボリュームが多く、幅も広い
・誰が何のために始めたのかわからない業務が目につくが、誰もそれを見直そうとはしない
・新しいことに挑戦する人も、責任を取る人もいない
・近隣部署との関係があまりよろしくない

それなりの規模の企業に勤めていれば、誰でもきっと思い当たる節があるはず。筆者は、日本の官僚機構こそ、まさにこの典型パターンだと見ています。

霞が関では、内閣が代わるたびに、財務省や経産省、厚労省といった省庁がそれぞれの官僚を官邸に送り込み、政権運営の主導権を握るための壮絶な縄張り争いが勃発します。それで日本が良くなれば別にいいんですが、むしろ日本国よりも各省庁の省益が優先されているように見えることが、筆者には少なからずあります。

平成土地バブル崩壊から25年ほど経ちますが、日本が足踏み状態を続け、借金だけが膨らみ続けたのは、彼ら官僚が内向きの“社内政治”を続けたことも一因ではないでしょうか。今回の新国立競技場の一件は、あらためてそのことを思いおこさせてくれたように思いますね。

舛添都知事は「文科省のせいだ」と明言し、実際、第三者委員会を作ってこれまでの経緯も検証されるとのことですが、「こいつが悪のボスキャラだ」みたいな人はどこにもいないと思いますね。たぶん、枯れ気味の人畜無害なオジサン官僚が数人ピックアップされるけれども、ぜんぜん悪意もないし儲けてるわけでもないから最後は当たり障りのない報告書で有耶無耶にされることでしょう。

でも、問題の本質は「逆さに振ってもそういう人畜無害なオジサンしか出てこない責任者不明の体質」にこそあり、人事制度にメスをいれてそれを改めない限り、第二、第三の新国立競技場問題は今後も発生するだろうというのが筆者の意見です。

※総工費2000億円超の第二関門海峡プランは実際に存在している。


以降、
社内政治にどっぷり浸かりすぎると35歳過ぎて泣くことになる
森くんにあって由紀夫くんに欠けているもの




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Q:「独身女子ですがマンションは買うべき?」
A:「自分なら独身でマンションは買わんとです。でも、あえて言えば……」



Q:「ホワイトカラー職の評価をデジタルにつけることなんて可能なんでしょうか?」
A:「絶対ムリです。そんなの出来るんなら世界中から中間管理職が消えてます」






+雇用ニュースの深層



脱終身雇用・年功序列に向けてようやく重い腰を上げた大企業

風呂敷を広げるのが大好きだがいまいちやる気の無かった大手電機人事部も、今回ばかりは本気のようだ。



配偶者手当を廃止するトヨタのメッセージ

トヨタは太っ腹でもないし、国の提灯持ちでもない。本件からはトヨタのまったく別のメッセージが読み取れる。







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13日テレビタックル出演のお知らせ

13日(月)23時15分からテレビ朝日「テレビタックル」に出演予定(収録済み)。
テーマは派遣法改正やら解雇規制緩和やら。

正直、バラエティは苦手なのであんまりしゃべっているシーンはないと思うが。

一応、個人的に記憶に残っているシーン。

山井議員(民主党)「専門26業務は今回の法改正で3年しか働けなくなってしまうんですよ!」

筆者         「じゃあその他の派遣さんも3年ルールやめちゃえばいいんじゃないですか?」

山井議員(民主党)「いや、専門26業務の人は、既に長いキャリアを積まれている人が多いので、3年で雇い止めされるのは問題なんです」

筆者         「3年ルールさえ廃止すれば、26業務以外の派遣さんも長いキャリア詰めると思うんですがそれは」


というようなやり取りが面白かったし民主党最大の弱点だと思うのだが、たぶん視聴者にはわかりにくいのでカットされると思われる。バラエティは実に難しい……

キモくて金の無いおっさんに救いはないのか?と思った時に読む話

今週のメルマガの前半部の紹介です。
先日、ネットで「キモくて金の無いおっさん」の存在が話題となりました。弱者というとたいていシングルマザーとか高齢者をイメージする人が多いと思いますが、実は「見た目がぱっとしない&出世もしていない中高年男性こそ、隠れた最大の弱者ではないか」という議論です。

これ、結構当たってると思います。そして、人間、年収や所属企業の大小にかかわらず、誰でも「キモくて金の無いおっさん」に陥ってしまうリスクがあるというのが筆者のスタンスです。

というわけで、今回はなぜ「キモくて金の無いおっさん」が可哀想なのか、そして、彼らを救済するにはどうすべきかをまとめておきましょう。

おっさんが生き辛いわけ

日本社会でおっさんが生き辛いのには、実はちゃんとした理由があります。それは以下の3点です。

1.おっさんは自分を売れない

日本企業では勤続年数に応じて賃金が上がっていく職能給と呼ばれる賃金が一般的であり、おっさんは20代よりずっと高給取りです。だからこそ、おっさんは労働市場ではなかなか引き取り手がいません。労使交渉を毎年やっていて、40代はいくら、50代はいくらという賃金水準が決まっている企業からみれば、おっさんは物凄く割高な存在ですから。

「でも、ちゃんと給料分の仕事はしてるぞ!」と言うおっさんもいるでしょうけど、日本企業は終身雇用前提の人材育成をしている場合がほとんどであり、A社の社内スキルがB社で同じだけ評価される保証はまったくありません。A社で部長やってた人がB社に転職しても「おまえ、こんなこともできねえの!?」とdisられて終わるケースがほとんどでしょう。

というわけで、日本においては、年功序列のレールから外れてしまったおっさんは、なかなかレールに這いあがるのは難しいわけです。一方、これが担当する職務に値札が付く職務給と呼ばれる仕組みであれば、逆におっさんほど有利な社会になります。必要なのは若さではなくスキルであり、若者より職務経験の長いおっさんの方が引く手あまただからです。一部の欧州諸国で若者の失業率が20%を超えているのは、こういう事情があるからですね。

労働市場を手軽に利用できるかどうか。今は正社員の椅子に座れているというおっさんにとっても、この差は物凄く大きいですね。転職チャンスが少ない以上、会社に相当無茶ぶりされても服従するしかないわけですから。

2.おっさんはあまりにも期待されすぎている

そして、そうした硬直的な労働市場の中で、おっさんはあまりにも多くのモノを背負わされすぎています。正社員であれば、終身雇用と引き換えに、男性労働者は滅私奉公するのが大前提です。おっさんは、全国各地、世界各国の空きの出た拠点に辞令一枚でばんばん転勤しないといけません。雇用を守るために、余剰感のある部署から人手不足感のある部署へ異動するのは当然の義務ですから。

また、おっさんは有休もあんまり使っちゃいけませんし、残業もいっぱいしないといけません。雇用を守るために、常にギリギリの人員でやりくりしているのだから、これも当然の義務ですね。とはいえ、これは結構大変なことです。しかも、近年はそこまでやっても、世帯全体の生活費は稼げないおっさんが増え続けています。従業員の世帯全体の面倒を見るような余裕が、もはや日本企業には無くなっているためです。

「あなたの転勤に合わせて家庭に入ったのに、結局パートに出ないといけなくなったのは、あんたが甲斐性無しだからだ!」
と嫁に詰められているおっさんを、筆者は複数知っています。

3.おっさんは逃げ場がない

そして、おっさんには逃げ場がありません。失業して貯金も底をついた場合、おっさんはどうすればいいでしょうか。女性であれば、実家に戻って家事や家業を手伝いつつ英気を養うという手があります。「家事手伝い」という使い勝手の良い言葉も用意されていますし、実際、そうやって優雅で文化的な暮らしを送っている妙齢のご婦人は珍しくありません。

でも、いい年こいたおっさんが実家に戻ったら、それは世間一般から見れば“社会不適合者”以外の何者でもありません。35歳以上ならもはやニートですらなく、平日昼間に外を歩いているだけで職務質問されまくりです。

また、女性であれば、手を差し伸べてくれる人も少なからずあるでしょうが、おっさんにはそれも望み薄です。たとえば雨の降りしきる夜、あなたの家の軒先で、一人の娘さんが雨宿りをしていたとしましょう。どうしたんですか、と聞いて「実は会社が倒産してしまい、住んでいる所も追い出されて泊まるところもないんです」と言われたりしたら、普通なら「どうぞ好きなだけ軒先で休んでいってください、何なら居間でお茶でもいっぱい」くらい言うでしょう。でも、軒先にいるのがおっさんだったら「今すぐどっか行け、じゃないと警察呼ぶぞ」とほとんどの人が言うに違いありません(筆者も言います)。

そして「最後のセーフティネット」と一部で呼ばれることもある水商売にしても、女性ならともかく、おっさんで務まる人はまずいないと思われます。実家にもおちおち帰れない、第三者の善意にも期待できそうにない、水商売も難しいとなると、おっさんに逃げ場なんてほとんどないわけですね。一時期「公園のベンチでスーツ着たまま時間潰してる失業中のおっさん」なるものが流行りましたが、あれなんてまさに逃げ場のないおっさんの典型と言っていいでしょう。



以降、
キモくて金のないおっさんにならないための処方箋
それでも「キモくて金の無いおっさん」になってしまったら



※詳細はメルマガにて(ビジスパ夜間飛行BLOGOS







Q:「AO入試者は落とされるというのは本当でしょうか?」
→A:「そういう企業があるのも事実です」



Q:「外資ですが、評価に甘辛ってあるものなんですか?」
→A:「外資の方があると思います」







ショートショート「3分でわかる、派遣労働が3年までしか認められないワケ」






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書評「我が一家全員死刑」

元少年Aの「絶歌」の書評をブログでも書こうかと思ったが、既にいろんな人が書いているので、かわりに本書の書評でも書いておこう。というのも、ある死刑囚の若者の獄中手記をもとにした本書は、個人的には「絶歌」と対になる存在だと考えているからだ。





それにしても、身もふたもないタイトルである。まず、事件の概要について。

2004年9月、福岡県大牟田市のヤクザの一家が資産家一家を惨殺した事件で「大牟田一家4人殺害事件」と聞けば思い出す人も多いはず。本書の手記は、そのヤクザ一家の次男によるものだ。「なぜお金取るのに4人も殺害する必要があったのか」という疑問を抱く人も多いだろうが、そこにはこんな経緯があった。

ヤクザ北村組の組長(一家の父ちゃん)と姐さん(一家の母ちゃん)が、多額の借金をしている資産家を殺害し、借金帳消し&資産強奪を画策。元力士の長男に犯行指示。

長男、やはり元力士の次男(当時二十歳)に「おい、あの家に数千万あると!おれらが先に盗ってやまわけたい。留守番の息子は邪魔やけ殺すぞ!」と共謀してまず1人目。

その事実を知らないヤクザ両親、資産家の母親を呼び出して拉致。息子2人に命じて殺害、2人目。

結局金なんて見つからないのだが「母親と弟が行方不明になれば長男は真っ先にうちを疑うだろうから」という理由で大学生の長男を拉致、一緒にいた友人もろともに殺害、3&4人目。

というわけで、ものすごい行き当たりばったり&冷酷非情な犯行の結果、4人を殺害して川に沈めたけどすぐ発覚して一家全員逮捕、その後一家4人死刑確定という流れである。

本書の手記を読むとわかるが、手記を書いた次男はまったく反省も追悼の念も見せない。頭の悪そうな文章で詳細に犯行を描写し、殺人のシーンではやや興奮気味に、自らの手際の良さを誇るかのように説明してみせる。被害者一家の長男なんて彼の幼馴染みたいな存在なのだが、その時でさえまったくためらいも見せぬままあっさりと殺して見せる。

ただし、本書からは、加害者側の言い分を聞いた時に感じる“もやもや感”はまるで感じない。それは筆者だけのレスではなくて、実際に本人は出版社と契約を結んでお金のために手記を書いているのだが、「A少年」のように叩かれているのを筆者は一度も聞いたことが無い。

それは恐らく、彼が「ほとんど純粋な悪」であり、かつそれを自認しているからだろう。ちなみに彼のロジックはこうだ。
「自分はヤクザとして組とオヤジのために殺人を犯したのでヤクザとして筋は通している。もちろん死刑になっても構わない」

彼はよくある「犯行時、心神耗弱につき~」なんて減刑狙いの主張はしていないし、死刑確定後も「凶悪犯罪抑制のため死刑制度は必要」と述べている。ある意味(極悪人として)彼は筋が通っているとも言える。

そういう観点から言えば、元少年Aの「絶歌」に対する「反省していない」「過去を美化しようとしている」といった批判は、筆者はややずれていると思う。我々が絶歌を読んで何とも言えないモヤモヤっとした気持ちになるのは(受け止め方に程度の違いはあれ)著者に反省の色が見られるからだろう。

モンスターがモンスターのままでいてくれれば、我々は安心できる。それは所詮、人の世に迷い出てきた鬼っ子に過ぎず、ずっと閉じ込めておくか殺すかして、後はきれいさっぱり忘れてしまえばよい。彼は我々とは違う世界の存在なのだから。

でも、モンスターが過去を悔いたり思い悩んだりしてしまった途端、我々は不安感にさいなまれてしまう。彼はこちらの世界の存在であり、彼の問題は我々自身の問題として向き合わねばならなくなるからだ。

筆者自身、元少年Aが目の前に現れたら、どう対応していいのか見当もつかない。そして心のどこかには、彼には更生なんかしなくてずっとモンスターのまま檻の中で飼い殺されて欲しかったという想いがないわけではない。ひょっとすると「彼は反省なんかしていない」という声は、そうした人自身の願望を投影したものなのかもしれない。

そういう気付きを与えてくれる意味でも、純粋な悪のもつ清々しさを垣間見せてくれる本書は、おススメしたい一冊だ。
















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著作
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城繁幸
コンサルタント及び執筆。 仕事紹介と日々の雑感。 個別の連絡は以下まで。
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