先日、映画「ブルーノ」を見てきたので軽く感想。
きわめて鑑賞者を選ぶ映画ではあるが、前作「ボラット」が良かったという人にはおススメしたい。
僕はDVD買ったくらい前作にはまったので、もちろん今回も大当たり。
マイケル・ムーアから政治色を抜いて毒だけつぎ足したような作品だ。
前回はカザフスタンの国営放送リポーターという設定だった主演のコーエンが、今回はオーストリアのゲイ
のリポーターに扮して暴れまわる。基本的に彼だけが演技で、素人の生のリアクションを引き出すという
流れは前回とまったく同じ。
中東からイタリアまで飛び回るが、やはり一番の被害者は、今回もアメリカ人だ。
世界一自由で世界一豊かな国の住民たちは、なぜこうもいじりがいがあるのか。
正直言うと、中盤までは強引さにやや引く場面もあったが、ラストの金網マッチだけでも元は取れた気がする。※
以下、個人的にツボだったポイント。
1.ハリソン・フォード独占インタビュー
2.メル・ギブソンに「総統!」
3.エンディングの歌詞「北朝鮮も韓国も仲良くして、どっちも同じ中国人じゃない」
思うに、建前と本音のギャップがある国でこそ、このアプローチは成立するのだろう。
自由と人権重視の国なのに、ユダヤ人や同性愛者を叩きだせという人々がいたり、役欲しさに
体重15kgの子供に「5kgダイエットさせます」という母親がいたり。
そういう点では、日本でもこういう疑似ドキュメンタリーは成立する気がする。
雇用問題なんて、建前と本音のギャップがすさまじい分野なので、結構面白い企画になりそうだ。
※「タイタニックが好き」という人にはおススメしない。