安倍政権の働き方改革ってどういう評価なの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
安倍政権の手掛けた働き方改革について「しっかりやることはやった」と評価する人と「逆に規制強化しただけだった」という声があります。




確かに多岐にわたる法改正をしていろいろ変わったのは事実ですが、実際の変化は実感できないという人も多いでしょう。

そもそも働き方改革とは何を目指していたのか。そして、それは今後どうなるのか。いい機会なのでまとめておきましょう。


途中でがらりと変わった働き方改革


一般論ですが、経済というのは規制が多ければ多いほど委縮して成長しなくなります。
たとえば現在、研究職の雇い止めが社会問題化していますが、根っこにあるのは(民主党政権が2012年に成立させた改正雇用契約法による)「無期転換ルール」ですね。

有期雇用が5年を超えた労働者は期間の定めの無い雇用への転換を申し入れできる、とする規制強化の一端です(研究職の場合は特例で10年)。


【参考リンク】理研、「10年ルール」で97人雇い止め チームリーダーの研究者も


一度無期雇用に転換してしまえば事実上正社員と同じで解雇は不可能な固定費となります。仕事が無くなっても雇い続けなければならないし、その分、新しい人材を採ることは不可能になります。

成長に必要な新陳代謝が出来なくなってしまうわけです。

だから、組織はたとえ現在は仕事があるとしても、10年で研究職(やその他有期雇用は5年で)を雇い止めにせざるをえないんですね。

要するに、理研は組織の新陳代謝を確保するために、全力で国の規制から逃れようと苦闘しているわけです。

同じことは普通の会社の正社員にも言えます。高度成長期以降に色々な判例が積みあがって企業が実質的に解雇できない終身雇用が成立。

さらには後付けで90年代以降、定年が55→60→65歳と上がり、現在は70歳が努力義務に。

さらにさらに、消費税と違い目立った反対者のいなかった社会保険料を思い切り引き上げ続けたもんだから、その“固定費”はさらに高騰……

理研と違い、逃れようの無かった日本企業は競争力を失い続け、気が付けば失われた30年と呼ばれる冬の時代へ突入していたわけです。

あとは労働時間に関する規制もそうですね。「働いた時間に応じて時給で払え」というのは一見合理的に見えますが、成果が時間に比例しないホワイトカラーの場合は一工夫が必要です。

「一日中机に座ってぼーっとしてるだけの人」や「月100時間の生活残業をノルマにしている人」にも、時給で支払わないといけないからです。

それで、そのひと工夫というのはボーナスや基本給からあらかじめ、およその残業代分を引いて低くしておくことなんですね。

これなら上記のような困った人間にも対処可能ですが、逆に言うと定時で仕事を終わらせる人間は損をすることになります。結果、「残業しないと生活できない」という理由で残業レースに参加する従業員は逆に増えることになります。

みんなが元を取ろうと頑張って「無駄な仕事」を増やしていっぱい残業する→会社は人件費の予算に納めるためにさらに基本給やボーナスを抑制する→従業員はもっと頑張って無駄な仕事増やして残業する

という現象を筆者は“残業スパイラル”と呼んでいますが、大きくて古い会社では程度の違いはあれ、たいてい目にする風物詩ですね。

ちなみに過労死もこのサイクルから発生するわけです。上記のメカニズムにメス入れない限り、いくら規制でがんじがらめにしたところで過労死はなくなりません。

ではどうすべきか。これもやはり、時間管理という規制を外す必要があります。外したうえで業務範囲を明確化し、労働時間ではなく成果で評価するしかありません。

「担当する仕事は〇〇で報酬は〇〇万円」と契約し、それができたかどうかで評価をするということです。

さて、そういう意味で言えば、第二次安倍政権のスタート直後は、重点政策として「解雇規制の緩和による労働市場の流動化」や「労働時間を規制緩和するWE(ホワイトカラーエグゼンプション)」にしっかりと言及していましたね。

その時点では間違いなく正しい目標を見据えていたと思います。

ただ、その後に電通過労自殺などの不幸な出来事が続いたこと、一部メディアがそれを追い風に大々的な規制緩和反対キャンペーンをやったことで風当たりが強まることとなりました。

結果的に解雇規制の緩和は霧消し、WEはどうやっても適用できないほど骨抜きにされる一方、細かな規制はいろいろ追加され、どちらかというと「働き方改革」というよりは「働き方規制強化」みたいな感じになった印象があります。

実際、現場で安倍政権の働き方改革で目に見える成果があったと評価している経営者や人事担当者に、筆者は一人も会ったことは無いですね。

一応フォローしておくと、だからと言って安倍政権をどうこう言うつもりはないです。だって改革に反対して足を引っ張ってたのは野党ですから。

安倍政権を働き方改革を100点満点で10点とするなら、民主党や共産党は0点といったところでしょうか。

日本の賃金がこの30年間ほぼ一貫して下がり続け、シンガポールはもちろん韓国や台湾にも抜かれたのは事実ですが、政権交代していたらもっとひどいことになっていたのは間違いないでしょう。






以降、
働き方改革はこの一点突破で実現可能
政権が投げ出した働き方改革が勝手に前進しはじめたわけ








※詳細はメルマガにて(夜間飛行)








Q:「異動までの半年間をどう活用すべき?」
→A:「何か一つ課題に取り組むのはどうでしょう」



Q:「ChatGPT て文系リムーバーじゃないですか?」
→A:「終身雇用という城壁で守られた非効率の楽園を終焉に導くでしょう」







雇用ニュースの深層





Q&Aも受付中、登録は以下から。
・夜間飛行(金曜配信予定)










元SEALDsって一生隠さないとダメなの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

朝日新聞が報じた元SEALDsのメンバーのインタビューが波紋を呼んでいます。SEALDsというのは2015年ころに安全保障関連法案に対抗して活動していた学生団体ですね。

活動は主にリベラル系メディアによって「若者の代表」「新しい学生運動」といった論調で取り上げられましたが、社会運動としては盛り上がることはなく、翌年には団体も解散しています。



【参考リンク】「隠したい」元SEALDsの過去


今回の記事は、当時盛り上げる側だった朝日新聞が、運動に対するネガティブな情報を紙面にしたことで話題となったようです。

ちなみに左派は「運動に対するマイナスイメージを広げるな!」という論調から、保守は「自分たちが持ち上げといて今さらさらすかね(苦笑)」というスタンスから批判的ですね。

左右両方から批判を集める記事って好き嫌いは別にして、なにかしらの本質はついているんじゃないでしょうかね。

というわけで、今回はSEALDsのような学生運動とキャリアについてまとめておきたいと思います。キャリアという観点から見て、それは本当に「隠さねばならない過去」なんでしょうか。


まったく話題にすらなっていなかったSEALDs


まず、SEALDsのような“学生運動”がキャリアに影響するかどうかは、当時から議論がありました。



で、答え合わせ。


【参考リンク】「就職できませんでした」 争奪戦になるとは何だったのか…

他にも立憲民主党の下請け的企業であるブルージャパンという会社がメンバーの働き口確保のために作られたという話もありますね(まあある意味持ち上げた責任とってるわけで立派とも言えますが)。

一応言っておくと、氷河期世代なんかと違い一貫して売り手市場でしたからね。すくなくともマトモな企業から“引く手あまた”ではなかったということでしょう。

じゃあ本当にあの運動はキャリアにとってマイナスだったかというと、筆者はそれにも違和感をおぼえています。

というのも、当時、企業の人事部門の人間と色々やり取りする中で、一度も「SEALDs」なんて言葉は出たことが無いから。

たぶん、名前くらいは聞いたことはあっても、実際にどういう主張で何をやっている団体なのかは知らない人の方が多かったんじゃないでしょうか。

なんていうと「twitterで盛り上がってたじゃないか!」なんて言う人もいるんですが、twitterなんて暇な人しか見ませんから(笑)

実際にキャリアに影響するかどうかは,人事の人間の温度差である程度分かるものなんですね。たとえば悪名高いスーパーフリー事件の時は、業種問わずあちこちで話題になってましたね。

「ねえ、スーパーフリー関係者って新卒エントリーにいた?うちはいなかったけど……」
「うちは1人いましたよ!あと提携してる〇〇っていうサークルの人間も〇人エントリーしてました」

みたいな話ってしょっちゅうしてましたね。
そういう熱さがまったく無いんですよSEALDsって。

だから筆者としては、SEALDsという肩書は、まあ少なくとも引く手あまたにはならないけれども、逆に「SEALDsやったせいで悪影響があった」という見方にも慎重です。

むしろそういう見方をすることで、彼らの本質が見えづらくなる気がしています。

とすると一つ疑問が残ります。なぜ彼らは就活でコケたのか。ちょっときつい言い方になるかもですが、単純に彼らが最初から「大学生が新卒カードを使って就活でトライするような企業」からは相手にされてなかったからでしょう。

まあみんな薄々気づいてはいたんでしょうけど、このことは、運動の世話人として深くコミットしてきた左派の識者自身も認めています。





前置きは長かったですが、以上の点を踏まえると、ようやくSEALDsの本当の姿が見えてくると思います。

あの若者たちは、大衆やエリートからはまったく相手にされなくなった周回遅れの元・知識人たちが、かろうじて言いくるめられるレベルの人材だったのでしょう。

そして言いくるめられた彼らは、同じリベラルの用意したステージに押し上げられ、言われるがまま「元・知識人の理想の若者像」を演じさせられていたのでしょう。


かつての学生運動の主役だった東大をはじめとする有名校の学生や、第一線で働いているまともなビジネスパーソンには、そうした残酷な構図がはっきりと見えていたから、みんな冷めた目で見ていたんだと思います。





以降、
左派が次に創作するのは「あの若者たちは就職差別された。悪いのは企業」というファンタジー
企業が嫌がるのはこういうやらかし







※詳細はメルマガにて(夜間飛行)







Q:「9年越しに職場復帰したケースはどう思いますか?」
→A:「まあそれでいいんならいいんじゃないですかね」



Q:「頭脳労働のほとんどはAIに置き換えられる?」
→A:「90年代に起きた変革が数倍のスピードで起こるでしょう」



雇用ニュースの深層






Q&Aも受付中、登録は以下から。
・夜間飛行(金曜配信予定)










リスキリングがうまくいく人、いかない人の差ってどこにあるの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
岸田政権が「新しい資本主義」の重点項目として労働者のリスキリング(学び直し)を掲げて以降、企業内でも社員のリスキリングを先導するトレンドが生まれつつあります。

どこの企業でも主なターゲットは50代が中心のようです。


【参考リンク】ANA、50代にリスキリング 会計士など専門資格取得も


とはいえ、なかなか経営サイドが思い描いたようには学び直しが進まないのも現実です。リスキリングに適した人とそうでない人の差はどこにあるんでしょうか。

そもそも、どうして50代に学び直しが必要なんでしょうか。いい機会なのでまとめておきましょう。


日本企業は50代のスリム化待ったなし!


業種問わず、日本企業は従業員の高齢化が進んでいます。なんとなく若いイメージのあるソニーでも42歳ですから、団塊ジュニアなんてまだまだ中堅、職場によっては“永遠の若手”みたいなところもあるでしょう。



【参考リンク】上場企業1792社の「従業員平均年齢」、過去最高を更新 - 商工リサーチ



ちなみに筆者が就活を始めた90年代半ば頃は35歳でも(年齢層が高くて)目立っていた記憶がありますね。

こうなってしまった背景ですが、いつも言っているように「雇用調整を新卒採用抑制でしか行えなかったこと」「年金の都合で一方的に定年が55歳→65歳へ引き上げられてきたこと」が原因ですね。

とはいえ、別に高齢化自体は問題ではありません。見方を変えればそれだけ経験豊富なベテランが多く揃っているわけですから。

問題なのは、50歳以降には年功序列の“上がり待ち”の人が多いことですね。

「もう年功賃金を十分にもらっているからそのまま逃げ切りたい」or「これ以上上がり目はないから新しいことはやりたくない」という集団で、要するにそういう人達というのは社内で定年までずっと消化試合しているようなものなんです。

だから悪いのは年齢ではなく、そういう人材を量産してしまった年功序列ベースの人事制度ということになります。

バブル崩壊後の90年代前半に新卒採用枠を激減させた時点でいずれこうなることは分かっていたわけで、本来なら90年代のうちにジョブ型にシフトしておくべきだったんですね。

そういう改革をきっちりやっていたら「消化試合にいそしむ中高年」も「困窮する氷河期世代」も生まれてはいなかったはず。新たなベビーブームも出現し、ひょっとしたら「失われた30年」も無かったかもしれません。

まあそれはさておき、70歳雇用が法律に明記された以上、企業としてはそうした消化試合モードの集団をなんとかするしかありません。

ではどうするか。具体的には以下の3つですね。

1.辞めてもらう

ど真ん中直球勝負かつ最も効果抜群なのはリストラで辞めてもらうことですね。数年前から赤字でもないのに早期退職募集(いわゆる黒字リストラ)する企業が話題となっていますが、まさにこのパターンです。

フォローしておくと「人手不足なので贅沢言わなきゃ再就職はできる」「さすがに本人達も70歳まで人生を消化試合にはしたくない」といった理由で、手を挙げる人は少なくないです。

2000年代によく行われていた「手を挙げるまで圧迫面談」みたいな悲壮感は全然ないですね。黒字なので条件も良いですし。

2.ジョブ化で処遇を見直す

更に新しいトレンドとしてはジョブ化もそうです。

「働かないオジサン」を働かせるのは至難の業です。でも処遇を今の働きぶりに応じたものに見直せばあら不思議!その瞬間から働かないオジサンは「ただのオジサン」に生まれ変わるわけですよ。

こうなると企業が煙たがる理由はゼロですね。人手不足の昨今、ただのオジサンは貴重な戦力として、若手と一緒に第一線で頑張ってくれることでしょう。

3.リスキリングで給料に見合った人材に底上げする

一方、処遇の見直しではなく、給料に見合った人材に底上げしようというのがリスキリングとなります。

ジョブ化で若手優秀層を抜擢はできても、中高年の賃下げはまだまだハードルが高いのも事実。となると、こちらの底上げに注目する企業は多いでしょう。

いずれにせよ、キャリアの後半戦をずっと消化試合のまま70歳まで面倒見るというのは非現実的なわけで、これから日本企業各社は社内にはびこる“消化試合”の一掃に血道を上げることでしょう。

個人的には2番と3番の組み合わせが主流になると予測していますね。

「ジョブ化で処遇は流動化させるし、人によってはそれなりの引き下げも行う。ただし、リスキリングで挽回の機会は与える」

個人としてはリスキリングをいかに使いこなして武器化するかが重要な視点となるはずです。






以降、
会社がリスキリングさせたい人、リスキリングがうまくいかない人
リスキリングは「やらされる」前にやっておけ






※詳細はメルマガにて(夜間飛行)







Q:「外資で社外ユニオンに加入するメリットは?」
→A:「ユニオンに加入しても、その人の仕事が無いという事実は変わりません」



Q:「春闘で満額回答が続く理由は?」
→A:「インフレは一過性のものではないと考える企業が多いからです」





雇用ニュースの深層






Q&Aも受付中、登録は以下から。
・夜間飛行(金曜配信予定)








変わった新人研修や入社式やる会社って何考えてるの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
先日、新人に研修として5日間の一人旅をさせるという会社が話題となりました。



【参考リンク】かわいい“社員”には旅をさせよ


卒業旅行じゃないんだから、と思った人も多いでしょうけど、筆者はなかなか見所のある研修だなと感じましたね。

実は今、新人の育て方が議論となっている日本企業は少なくないです。

ちょっと前に「職場環境がヌルすぎて若手が離職する」という話が話題になりましたが、あれも見方を変えるなら従来の育成方針が時代に沿わなくなっているとも言えるわけですよ。

企業は従来の新人育成にどんな限界を感じているんでしょうか。そして、個人は組織の中で何を目指すべきなんでしょうか。いい機会なのでまとめておきましょう。


従来の新人研修の狙いとは


ところで、社会人の皆さんは新人研修の内容ってその後の人生で何か役に立ちましたか?「当たり障り無さ過ぎて特に役に立った記憶が無い」「そもそも記憶に残ってない」という人が多いんじゃないでしょうか。

筆者はあまりにも退屈で、「熱が出ました」といってサボった記憶がありますね(汗)

さて、日本企業の新人研修がたいてい薄味なのには理由があります。

日本企業の新卒・総合職採用では、そもそもなんの仕事をさせるかは未定のまま採用の可否のみを判断します。

そりゃ採用担当の頭の隅には何らかの職種に就けるイメージはあるんでしょうけど、建前としては「先発ピッチャーだろうが外野だろうが、会社から与えられた仕事は何でもこなす」のが日本型雇用のルールです。

その後、具体的な配属先が決まるのは入社直前か、新人研修の終了後。時期で言うと5月以降という会社も結構あります。いずれにしても配属は全体の新人研修が終わってからですね。

するとその期間、新人の面倒を見る人事部門としては、営業から総務、技術開発まですべて含めて研修させないといけないわけです。

「誰にとっても当たり障りのない薄味」になってしまうのは必然なんですね。社会人共通のビジネスマナーとか、社史とか理念とか。結構カリキュラム埋めるのが大変だったりしますね。

よく「〇〇社でも採用のマナー講師」みたいな人がメディアに出てたりしますけど、ああいうのはコンテンツとして評価されているわけではないんですよ。

当たり障りのない話で枠を埋めてくれる便利な存在だから、企業の管理部門から重宝がられてるだけなんですね。

じゃあ新人研修なんていらないだろう、4月1日から職場に配属してOJTさせろと思う人も多いかもしれませんが、実際はむしろ「入社式から新人研修までの一連の新入社員イベント」を非常に重視している日本企業の方が多いです。

なぜか。それは、以下のような意識付けを効果的に行える儀式だからです。


・この会社に入れた自分は本当に幸せだ
・同僚はみんな、同じ釜の飯を食った仲間だ
・だからこの会社のために何でもやるぞ  


どっかの部族が新成人にバンジージャンプやらせたり、ヤクザが新規加入者と盃交わすのと本質的には同じことなんですね。

ちなみに上記3要素、筆者は「ホップ・ステップ・社畜の三段活用」と呼んでいます。

特に重要なのは3番目ですね。「アレがやりたい、コレがやりたい」じゃなく、会社に与えられた仕事は何でもやる前提のメンバーシップ型ですから。

ポテンシャルのある人材を採用するだけでなく、最終的に「会社に言われたことは何でもやるぞ」というメンタルセットにして職場に配属するまでが人事部門のミッションなわけです。

なんてことを言うと「信じられない!ホントにそんなこと考えてるの?」と思う人も学生や外資しか知らない人の中にはいるかもしれません。

でも神様は優しいですね。そんな人のために格好のサンプルを用意してくれています。



【参考リンク】伊藤忠商事の入社式の様子がすごい。生演奏にダンサー付き→「昭和か?」「きっつ」「商社は勝者だな」



昭和じゃないですよ!令和5年、今年の入社式ですよ!

あと地方のオーナー企業じゃないですよ!日本を代表するエクセレントカンパニー伊藤忠商事の入社式ですよ!

大勢の現役社員に拍手で迎えられ、生演奏にダンサーが舞い踊る中、赤カーペットの上を一人ずつ進んで、社長に挨拶。そして大画面には、実家から見守る家族の姿も……

きっとあの若者たちはみな「伊藤忠に入れた自分は幸せ!」「社員は家族!」「言われたことは何でもやるぞ!」という立派なサラリーマン戦士として各職場に巣立っていくことでしょう。





以降、
岐路を迎えている日本型の研修
日本企業に足りないのは〇〇〇〇〇〇







※詳細はメルマガにて(夜間飛行)







Q:「専門外の仕事を上手くキャリアに取り込むには?」
→A:「キャリアの幅を広げるチャンス到来!と前向きに考えてみては」



Q:「社外のユニオンに加入するメリットは?」
→A:「あるとすれば会社と全面的に争う場合、ですかね」





雇用ニュースの深層





Q&Aも受付中、登録は以下から。
・夜間飛行(金曜配信予定)









独身中年男性ってみんなおかしくなるの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

先日、SNSで以下の記事がバズりました。


【参考リンク】独身中年男性、狂ってきたので今のうちに書き残しておく

特に中高年男性からの共感のレスが多いように見えますね。筆者も(男性に限りませんが)そうした中高年は多く見てきたし、自分自身にも通じる部分はあります。

恐らく上記記事を読んで「自分にはまったく無縁な話だ」と言い切れる人はいないんじゃないでしょうか。

というわけで、今回は中高年クライシスについてまとめたいと思います。実はキャリアとも表裏一体の話でもあるからです。


成熟に伴う変化にどう向き合うか


結論から言えば、中高年というのは“おかしくなる”年齢ではなく、成熟にともなって肉体的にも精神的にも色々な価値観が変化するタイミングだというのが筆者のスタンスです。

たとえば、趣味を通じて得られるものの中には、単純な楽しさ、面白さにくわえ、成長、自己実現や能力の発揮といった要素も存在します。

単純に面白いという理由だけでやっていた趣味から得られる満足感は、中年になって体力・集中力が落ちてくると相対的に低下することになります。

遅くまで飲み会したり、ドラマや映画を週末で一気見したり、徹夜でゲームしたりといった趣味を卒業する人というのは自分の周囲にも多いんですけど、理由はこれでしょう。「昔ほど楽しくはないな」という娯楽は自分にもありますね。

そういう趣味との付き合い方というのは、一言で言えば「(体力なり時間なりを)ひたすら消費する」スタイルなんですね(以後「消費型」と呼びます)。

一方で、単純な楽しさ以外の要素を含む趣味は、年齢を理由に引退する人は少ない印象があります。

たとえば以前、都内で有名起業家から学生、主婦まで教えている書道の先生に話を聞く機会があったんですけど、一番継続するのは定年退職後の人だとか。

理由は、字というのはそれまで積み重ねた人生経験が出やすいので、それに気づいた人ほどはまりやすいんだそうです。

まさに先述の「成長、自己実現や能力の発揮」といった要素がちりばめられているのがわかると思います。

消費型とは逆に、こっちは「自分の中に積み上げたものを引き出したり、さらに磨く」スタイルだと言えるでしょう(以後「積み上げ型」と呼びます)。

実はこれ、後述するようにキャリアも全く同じなんですね。

繰り返しますが、中高年というのは、成熟に伴いそれまでの価値観が徐々に変容していくタイミングなんです。仕事でもプライベートでも、そうした変化に対応する柔軟さが求められることになります。






以降、
30代後半で仕事がおっくうになる人の共通点
キャリアデザインで中高年クライシスを乗り切るポイント








※詳細はメルマガにて(夜間飛行)









Q:「外資も解雇が難しくなれば処遇の悪化が進みませんか?」
→A:「間違いなく悪化するでしょう」



Q:「Uターンを理由に転職する人間をどう思いますか?」
→A:「理由としてはぜんぜんアリです」





雇用ニュースの深層







Q&Aも受付中、登録は以下から。
・夜間飛行(金曜配信予定)






スポンサーリンク


ENTRY ARCHIVE
著作
「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話


若者を殺すのは誰か?


7割は課長にさえなれません


世代間格差ってなんだ


たった1%の賃下げが99%を幸せにする


3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代


若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
MY PROFILE
城繁幸
コンサルタント及び執筆。 仕事紹介と日々の雑感。 個別の連絡は以下まで。
castleoffortune@gmail.com
RECENT COMMENT
SEARCH
QRコード
QRコード
お問い合わせ
お問い合わせはこちらまで