日本人材ニュースの企業向けアンケート調査で、63%の企業が
「既卒者の新卒エントリーに前向き」という結果が出たという。新卒カードの価値が薄まり
つつあるのは日々実感していたが、この数字は良い意味でサプライズだ。

では、具体的に「内定が取れそうにない4年生」は、この先どうするべきか。
当たり前の話だが、「就職留年して、もう一年間ひたすらOB、企業回り」というのは最悪な
パターンだ。前年度はそれでダメだったのに、一年年食った上で同じことして受かるわけがない。
「既卒であっても新卒と同じ土俵で見てやるぞ」と採用担当が言っているということは、
裏を返せば、既卒には新卒には無い強みを期待しているということだ。
その強みを伸ばす努力をした方がいい。

(新卒らしさだけが好きなら、わざわざ既卒なんて採らないだろう)

たとえば僕が4年、内定無しだったら。
志望する業界にバイトでもなんでもいいから潜り込んで、週5で仕事をする。なんなら掛け持ち
でもいい(授業料をタダにしてくれるなら留年するが、卒業しても構わない)。

バイトは指示待ちのやっつけ仕事で量をこなすのではなく、一教われば最低でも二、三
くらいは質問して学ぶ努力をし、自分の担当業務が全体の中でどういう位置づけなのかを
理解しておく。できれば、自分なりに課題を見つけて改善する取り組みもやってみる。

そして、来春の就職活動では、自分の職歴とその中で見つけた課題、それに対する提案
内容をびしっとシンプルかつツボを押さえたレポートにまとめて履歴書に添付すれば、
「こいつ……できるな」と思わせることはそう難しいことではないだろう。

要するに、バイトだろうがなんだろうが、正社員ばりのやる気と経験を積む努力をして、
それを見せる工夫をするということだ。

「採用目標は未達成ながら、エントリー締め切り」とか「既卒者も新卒枠にエントリー可」
という最近の企業側の姿勢からは、以上のようなトレンドがはっきりと見えてくる。
おそらく、新卒枠は絞りつつ、中小やベンチャーで数年揉まれた人間を中途で採る流れが、
中期的には一つのキャリアパスになるだろう。
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