年の瀬に、例の国家公務員一般労働組合が全力でボケているので一応突っ込んでおいてやろう。

基本的に一から十まで鼎談部は全部間違いなのだが、とりあえず色々と誤解を産みそうな「日本の解雇規制はデンマークより緩い」という部分。

根本 解雇の厳しさに関しては、2008年に出たOECDのデータがあります。このデータによると、正規雇用、非正規雇用、大量解雇あるいは集団解雇を分けているんですが、まず全部をひっくるめた解雇規制でいえば、日本は強い方から24番目、弱い方から7番目ということになっています。よく「解雇が自由にできる国」と言われているデンマークよりも日本は解雇規制が弱いのです。実際にデータで見ても、むしろ日本の解雇規制は足りないのです。

この数字はしばしば解雇規制緩和に反対する論者が引用するものだが、そもそもこのランキングは「解雇の難しさ」ではなく「従業員を保護する規制の強さ」ランキングだ。文字通りの「解雇の難しさ」も指標の一つとして含まれるが、それは解雇に必要なコストや期間といった十以上ある指標のうちの一つに過ぎず、しかも非正規雇用労働者も含まれている。正社員の解雇の難しさとは全くの別物だ。

という点はさんざん突っ込まれて一応は理解しているらしく、以下にこう続けている。

このOECDのデータが3つに分かれているということで、正規雇用だけをとってみても、日本は解雇規制が強い方から18番目です。正規雇用の解雇規制が日本はすごく厳しいと指摘されることがありますが、世界で使われている統計データで見れば、解雇規制は弱いといえるのです。

確かに、上記のランキングは3つのパートに分かれていて、確かに正社員の解雇に関する統計では日本は30カ国中の18番目、なんということはない普通の国のように見える。だが、やはりここにもカラクリがある。

この「正規雇用の解雇」はさらに細かなデータをミックスしたもので、それらは以下の3つだ。

1.手続きの煩雑さ
2.普通解雇における告知期間と補償額
3.解雇の難しさ

3番において日本は30カ国中第一位であり、もちろん、筆者のように解雇規制緩和を求める人たちが問題としているのはこの数値である(ちなみにデンマークは最低の30位)。給与一か月分の手当で解雇できると労基法で決められているからと言って、実際それに従って解雇なんて出来ないわけだから、1番や2番がどんなにゆるゆるでも何の意味もない。にもかかわらず、あえて3番ではなくトータルの調査結果のみを引用するのは、確信犯的な詐欺だ。
(以上、『CALCULATING SUMMARY INDICATORS OF EMPLOYMENT PROTECTION STRICTNESS』より)

都合のいいデータだけつまみ食いして、弱者を出口の無い迷路に追い立てつつ、自らは既得権の上にあぐらをかくだけ。これが、この国の“左翼”の現実である。

先日、筆者は「なぜリベラルは嫌われるのか」という記事を書いた。「いいね!」とツイートも1500を越えたから、幅広く共感されたものと思われる。

筆者があげた「リベラルが嫌われる理由」は
「強きを助け弱きを憎む」
「大きな政府を否定し、小さな政府を主張」
の二点だが、
「平気で嘘をつく」
というのも3点目として追加しておこう。

リベラルの皆さんは、本気で若い世代に好かれたいと思うんだったら、まず「嘘をつかない」という人として当たり前のことから始めたらいいんじゃないかね。